震度とマグニチュード、VEIを比較

トカラ列島の群発地震ですが、島が移動したことからマグマの関与が疑われ始めており、このまま海底火山が噴火する可能性も現実味を帯び始めてきています。

当初の報道では、トカラの群発地震は断層のズレによるものという説明がされていましたが、マグマの上昇で岩盤が破壊されることによる地震の可能性も否定できなくなってきました。

いずれにしても、断層のズレであれ、岩盤の破壊であれ、地震であることに変わりはないため、その揺れの強さや規模を表す際には震度やマグニチュードの単位が使用されます。

一方で、もし噴火に発展した場合、火山爆発指数のVEIが使用されることになります。

これらの違いでいえば、「震度」については10段階に分かれており、こちらは日本独自のものなので、海外ではあまり通用しません。一方、「マグニチュード」については、地震の規模を表すもので国際的な指標になります。

地震

  • 震度:JMA、最大は震度7、10段階(5弱、5強、6弱、6強を含む)
  • マグニチュード:M、理論上は上限なし。ただ、地球ではM10程度が事実上の上限。

仮に、マグニチュードが大きかったとしても、地下の深い場所で発生した地震の場合、地表ではあまり揺れないため、震度は低くなります。逆に、マグニチュードが小さかったとしても、地表付近の浅い場所で地震が発生した場合には震度が大きくなります。

そのため、マグニチュードが大きいからといって、必ずしも震度が大きくなるわけではありませんが、概ね、マグニチュードが大きければ、震度も大きくなる傾向にあります。

例えば、2011年3月の東日本大震災の場合、マグニチュード9.0でしたが、最大震度は7でした。

一方、火山の噴火の場合は「VEI」の指標が使用されます。

火山の噴火

  • 火山爆発指数:VEI(Volcanic Explosivity Index)、国際的な指標、最大はVEI 8
  • 噴火警報、噴火警戒レベル(1~5までの5段階):日本国内の指標

火山については、噴火のため、地表で発生するため、VEIが大きければ、そのまま噴火の規模が大きいといえます。直近の日本では、2021年福徳岡ノ場でのVEI 4などの例がありますが、過去には富士山の宝永噴火など、VEI 5のレベルで噴火した事例もあります。

さらに、有史以前の鬼界カルデラにおける約7300年前のアカホヤ噴火などはVEI 7とされています。

津波との関連

最後に、この噴火と地震の違いによる津波への影響ですが、基本的に噴火による津波のリスクは、大規模な海底地滑りを伴わない限り限定的といえます。

①地震(断層のズレ)→ 津波 → ごく一般的
②噴火(気象波動の発生)→ 津波 → 極めてレア、トンガ噴火など

たつき氏の「大災難は2025年7月」の予言については、海底噴火がボコンとなって大津波が発生するとされており、上記②の極めてレアな内容に該当します。

この②の噴火の津波についても、国内で津波を観測した時点で津波情報・注意報が出されます。また、国外の大規模噴火で津波が発生する可能性がある場合についても、噴火であっても遠地地震に関する情報で発表されます。

このあたり、地震と噴火、そして津波の関係が複雑になっていますが、今回のトカラ列島での群発地震は、地震であっても噴火の側面があるため、一般的な断層のズレによる地震や津波とは分けて考える必要があります。

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